寺田心はなぜ筋肉をつけた?自重トレから高校生フィジーク挑戦までを専門分析
- PUSH-UP💫THE HERO編集部

- 5 時間前
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2026年8月、日本の筋トレ界でかなり面白いニュースがありました。
俳優の寺田心さんが、8月15日に京都で開催されたJBBF主催「全国高校生メンズフィジークチャンピオンシップス2026」に出場したのです。
18歳。登録時177.8cm、70.0kg。172cm超級にエントリーし、鍛え上げた上半身をステージで披露しました。結果は41人が出場したクラスで上位14人へは残れませんでしたが、俳優業と並行して約1年間本格的に身体を作り、コンテストの舞台まで立った事実そのものが強烈です。
さらに2026年6月には、体重62kg前後だった時期から一度80kg付近まで増量し、当時ベンチプレスは「120kgくらい」と本人が説明。8月のテレビ出演でも、週6でジムへ通う生活や、一時82kgまで増量した過程が紹介されています。
ここだけを見ると、
「ウェイトトレーニングで一気に身体を大きくした俳優」
という話に見えます。
しかし、腕立て伏せ専門家として私が最も注目したのは、その少し前です。
寺田心さんは、ジムで本格的にウェイトトレーニングを始める以前から、約2年半、自重トレーニングを続けていたと語っています。
しかも仕事先では腕立て伏せを行い、旅行にもダンベルを持参するほど筋力トレーニングを生活へ組み込んでいました。
つまり現在の身体を「ベンチプレス120kg」という結果だけで見ると、大切な途中経過を見落とします。
自重からウェイトへ。
腕立て伏せからベンチプレスへ。
習慣から専門的な身体づくりへ。
寺田心さんの変化には、筋力トレーニングを伸ばしていくうえで非常に面白い「段階」があります。

🧱 見落としてはいけない「自重トレーニング2年半」という土台
2025年のインタビューで寺田心さんは、ジムへ通う以前に自宅で約2年半、自重トレーニングをしていたと明かしています。
2024年のインタビューでは、仕事先でも腕立て伏せをしているとも発言しています。
ここはかなり重要です。
現在の大胸筋、上腕三頭筋、肩、背中を含む身体全体が「腕立て伏せだけで作られた」と言うことはできません。
現在の身体は、ウェイトトレーニング、増量、減量、食事、回復などを含む長期的な身体づくりの結果です。
ただし、
本格的なウェイトトレーニングへ入る前に、自分の身体を押すトレーニングを長期間続けていた。
これは事実として見逃せません。
腕立て伏せでは、
大胸筋で押す。
上腕三頭筋で肘を伸ばす。
三角筋前部で肩関節を支える。
肩甲帯を安定させる。
腹部と臀部で身体を一本に保つ。
床へ力を伝える。
これらを毎回同時に行います。
私が初心者へ腕立て伏せを教えるときも、最初に作りたいのは「筋肉のサイズ」だけではありません。
押すという動作そのものを身体へ覚えさせることです。
この土台がある人は、その後に負荷を増やしたとき、「どこに力を入れて押せばいいのか」を理解しやすくなります。
PUSH-UP THE HEROの腕立て伏せトレーニング総合ガイドでも、腕立て伏せ能力を単純な筋力ではなく、筋出力、スピード、身体制御、筋持久力など複数の能力として捉えています。
寺田心さんのケースから学びたいのも、この「土台→高負荷」の流れです。

🦾 腕立て伏せからベンチプレス120kgへ。本当に関係はあるのか
ここで一番気になる疑問があります。
腕立て伏せを続けていたことは、その後のベンチプレス能力へつながるのか。
答えは、「一定のつながりは十分考えられるが、腕立て伏せだけで120kgまで伸びたとは言えない」です。
腕立て伏せとベンチプレスは、どちらも上半身で押す水平プレス系の運動です。
大胸筋。
上腕三頭筋。
三角筋前部。
この主要な筋群には大きな共通点があります。
実際、トレーニング経験者を対象に腕立て伏せとベンチプレスを同等に近い負荷条件で比較した研究では、動作学的特徴と上半身筋群の活動に高い共通性が確認されています。
さらに日本体育大学の研究では、若年男性18名を対象に、負荷を調整した腕立て伏せと40%1RMのベンチプレスを8週間実施したところ、どちらの群でも大胸筋と上腕三頭筋の筋厚、ベンチプレス1RMが増加しました。研究規模は小さく、対象も未訓練者なので万能な結論ではありませんが、「自重だから筋力・筋肥大につながらない」という単純な見方はできません。
ただし、ここから先が専門的に大切です。
腕立て伏せだけを同じ条件で何年も繰り返せば、負荷にはいずれ慣れます。
120kgのバーベルを押す能力を作るには、120kgへ近づくための高負荷トレーニングが必要です。
つまり、
腕立て伏せが「押す力の土台」を作り、ウェイトトレーニングがその天井をさらに引き上げる。
寺田心さんのトレーニング履歴は、この流れを考える非常に分かりやすい例です。
🧬 「自重では筋肉が大きくならない」はもう雑すぎる
筋肉を大きくしたい人ほど、
「腕立て伏せは初心者用」
「筋肥大ならベンチプレス」
と考えがちです。
しかし本当は、種目名だけで筋肥大が決まるわけではありません。
筋肉へどれだけ十分な張力を与えたか。
セット終盤まで高い努力度を保てたか。
負荷を段階的に増やしたか。
十分なトレーニング量を確保したか。
回復できているか。
こちらの方がはるかに重要です。
先ほどの日本体育大学の研究でも、適切に負荷調整された腕立て伏せで大胸筋と上腕三頭筋の筋厚が増加しています。
つまり、腕立て伏せを「自重だから軽い」と決めつけるのではなく、
通常の腕立て伏せ。
テンポを遅くする。
最下点で止める。
デクラインプッシュアップ。
加重する。
片手系へ進む。
爆発的に押す。
このように条件を変えれば、同じ腕立て伏せでも刺激は大きく変えられます。
腕立て伏せとベンチプレスのトレーニング効果の違いでも詳しく扱っていますが、両者は敵同士ではありません。
競わせる必要もない。
目的に応じて両方使えばいい。
寺田心さんのように自重からウェイトへ進む流れは、その意味でも合理的です。
🎯 寺田心さんが「胸と上腕三頭筋」を好むのは面白い
寺田心さんは2026年6月の番組で、自身について胸を「チャーム筋肉」と表現し、さらに上腕三頭筋、つまり腕の後ろ側のラインにもこだわっていると話しています。
腕立て伏せ専門家としては、かなり面白い組み合わせです。
なぜなら、大胸筋と上腕三頭筋は腕立て伏せの主役だからです。
下降局面では大胸筋を中心に負荷を受け止め、最下点から身体を押し返す。
その後、上腕三頭筋が肘の伸展を強く担い、トップポジションまで身体を押し切る。
特に回数を重ねる腕立て伏せでは、大胸筋がまだ動けても、上腕三頭筋の出力が先に落ちてロックアウトが甘くなるケースがあります。
逆に上腕三頭筋が強くても、胸から床へ十分に下ろせないフォームなら、大胸筋への刺激も競技的な「1回の価値」も変わってきます。
見た目の筋肉と、動作の中で働く筋肉。
この二つは似ていますが、完全に同じではありません。
寺田心さんの現在の身体を見るニュースが多い中、私ならむしろ、
その胸と上腕三頭筋を、動作としてどこまで使えるのか
を見てみたくなります。
📈 62kgから82kg。身体を大きくするには「材料」も必要だった
2026年8月の『櫻井・有吉THE夜会』関連報道によると、寺田心さんは筋肉量を増やす過程で、62kgから一時82kgまで約20kg増量したと説明しています。1日4,000〜5,000kcalを摂取していた時期もあったとされています。
そして大会時には177.8cm、70.0kgで登録。報道では直近の体脂肪率を6%まで絞ったと本人が説明したとされています。
この変化から分かるのは、トレーニングだけで身体は完成しないということです。
筋肉へ刺激を与える。
食事で材料を供給する。
回復する。
体重を増やす。
競技へ向けて絞る。
このすべてが身体づくりです。
ただし、62kgから82kgという20kg増量や大会へ向けた大幅な減量は、一般トレーニーが数字だけを真似するものではありません。
年齢、身長、体脂肪、トレーニング歴、競技目的、食生活によって適切な方法は大きく変わります。
ここで真似すべきなのは20kgという数字ではなく、
目的が変われば、トレーニングと身体づくりの方法も変える
という考え方です。
⚙️ 腕立て伏せだけでは足りなくなる瞬間がある。それでいい
腕立て伏せ専門ブランドがこんなことを書くと意外かもしれません。
筋肥大や最大筋力を本格的に追うなら、腕立て伏せだけに固執する必要はありません。
通常の腕立て伏せが50回、60回と余裕になってくれば、それを100回、200回へ増やす方法もあります。
これは筋持久力を狙うなら意味があります。
しかし最大筋力や筋肥大をさらに強く狙いたいなら、
デクラインプッシュアップ。
加重腕立て伏せ。
高難度バリエーション。
ダンベルプレス。
ベンチプレス。
こうした高負荷刺激へ進む選択肢があります。
専門性とは、一つの種目だけを何が何でも続けさせることではありません。
その種目の価値と限界を正しく理解することです。
腕立て伏せは優秀な土台です。
しかし土台が完成したら、その上に何を建てるかは目的次第です。
寺田心さんは、そこから本格的なウェイトトレーニングへ移行した。
私はこの流れを非常に自然に感じます。
🧠 逆に、ベンチプレス120kgなら腕立て伏せも最強なのか
ここはPUSH-UP THE HEROだからこそ、はっきり分けたいところです。
ベンチプレスが強いことと、腕立て伏せ競技が強いことは同じではありません。
かなり高いベンチプレス能力があれば、腕立て伏せの押す力には明らかな余裕が生まれやすい。
しかし腕立て伏せ、とくに正確な高回数競技では別の能力が必要です。
身体を一直線に保つ。
毎回同じ深さまで下ろす。
トップで肘を伸ばし切る。
一定のテンポを維持する。
後半の局所疲労に耐える。
呼吸を崩さない。
数十回、場合によっては100回以上、同じ動作を再現する。
ベンチプレス120kgを1回挙げる能力と、正確な腕立て伏せを高速で50回行う能力では、要求される性能が違います。
これは「どちらが上」という話ではありません。
強さの種類が違うということです。
筋肉が増えたのに腕立て伏せの回数が思ったほど伸びないケースがあるのも、このためです。
筋肥大した筋肉を、腕立て伏せという動作へ再変換する練習が必要になります。

🔬 寺田心さんの「本当の腕立て伏せ能力」はまだ分からない
寺田心さんが過去に仕事先で腕立て伏せをしていたことは確認できます。
しかし、
現在何回できるのか。
30秒なら何回なのか。
60秒なら何回なのか。
フルレンジなら何回なのか。
どの手幅なのか。
胸の深さはどこまでなのか。
肘を毎回伸ばし切れるのか。
これらについて、今回確認できた公開情報からは判断できません。
だから私は、ベンチプレス120kgという数字から「腕立て伏せも○回できる」と予測することはしません。
腕立て伏せ能力を知りたいなら、腕立て伏せそのものを測る。
それが一番正確です。
PUSH-UP THE HEROでは、腕立て伏せ世界基準センターで、深さ、ロックアウト、身体直線性など「1回が成立する条件」を体系化しています。
さらにTESTING LAB|腕立て伏せフォーム診断・能力測定では、回数だけではなくフォーム、左右差、反復リズム、終盤の崩れまで含めて評価します。
筋肉が大きい。
ベンチプレスが強い。
だから腕立て伏せが強い。
この3段論法で終わらせない。
そこが腕立て伏せ専門家として一番こだわりたいところです。
🏆 高校生フィジーク予選敗退は「身体づくり失敗」という意味ではない
全国高校生メンズフィジークでは、寺田心さんは上位14人へ残れませんでした。
数字だけなら「予選敗退」です。
しかし、筋力トレーニングの観点ではここも面白い。
フィジークはベンチプレス大会ではありません。
腕立て伏せ大会でもありません。
筋力の絶対値だけで勝敗は決まりません。
肩幅。
背中。
胸。
ウエストとの比率。
左右のバランス。
絞り。
ポージング。
ステージ上での見せ方。
カテゴリーとして求められる身体の完成度。
こうした要素を総合して競います。
つまり、
強い身体を作ることと、フィジークで勝つ身体を作ることも別の能力です。
これは腕立て伏せでも同じです。
大胸筋が大きい人が最も速いとは限らない。
上腕三頭筋が太い人が最も長く続けられるとも限らない。
筋肉を「持っている」ことと、その筋肉を目的の動作へ最適化できることは違います。
寺田心さんが今回大会へ挑戦したことは、この違いを考えるうえでも興味深いケースです。
🚀 一般トレーニーが学ぶべきは「自重を卒業すること」ではなく進化させること
寺田心さんの流れを、
「腕立て伏せをやめてベンチプレスへ行けばいい」
と解釈すると少し違います。
私なら、次のように考えます。
STEP 1|まず自分の身体を正確に押せるようにする
通常の腕立て伏せで、頭から足までのラインを保つ。
胸を十分に下げる。
最後まで肘を伸ばす。
この基本を作る。
STEP 2|同じ腕立て伏せを難しくする
下降をゆっくり行う。
最下点で停止する。
足を高くする。
反復速度を変える。
セット数を増やす。
STEP 3|外部負荷を加える
加重腕立て伏せ、バンド、ダンベル、ベンチプレスなどを使い、より高い筋力へ刺激を広げる。
STEP 4|目的へ戻す
身体を大きくしたいのか。
ベンチプレス重量を伸ばしたいのか。
腕立て伏せの回数を伸ばしたいのか。
フィジークへ出たいのか。
目的が違えば、最後のトレーニングは変わります。
ここが一番大切です。
種目を進化させるのではなく、目的に合わせて身体を進化させる。
寺田心さんの変化から学ぶべき核心は、この部分だと私は考えています。
🎬 子役から筋肉俳優へではなく「自分で身体を作れる俳優」へ
寺田心さんの筋肉がニュースになる理由には、子役時代との外見的なギャップがあります。
しかし、それだけで終わらせるのは少しもったいない。
2024年には、旅行へゲーム機ではなくダンベルを持って行ったという話があり、仕事先でも腕立て伏せを続けていました。
2025年には、自重トレーニングを約2年半続けた後、本格的なウェイトトレーニングへ進んでいたことを明かしています。
2026年にはベンチプレス120kg級まで進み、増量と減量を経験し、高校生メンズフィジークへ出場した。
この時系列を見ると、短期間で突然マッチョになったというより、
習慣化 → 自重 → ウェイト → 増量 → 減量 → 競技
と段階を踏んでいます。
だから面白い。
身体は一夜では変わりません。
しかし、毎日の腕立て伏せのような小さな習慣が、その後の大きな挑戦へつながることはあります。
腕立て伏せ専門家として私が寺田心さんの変化から最も強く感じるのは、そこです。
🦾 腕立て伏せを「次の強さ」へつなげる。私の腕立て伏せ専門パーソナルトレーニング
腕立て伏せを20回できるようになった。
50回できるようになった。
胸や腕に筋肉がついた。
そこで終わりではありません。
私は、その先に何を目指すのかまで見ます。
さらに回数を伸ばすのか。
フォームを厳密にするのか。
筋力を高めるのか。
スピードを高めるのか。
高負荷トレーニングへ移行するのか。
競技や体力試験へつなげるのか。
寺田心さんのように、自重トレーニングからより高い負荷へ進む流れそのものは非常に自然です。
ただし、同じ腕立て伏せをしていても、次に必要な刺激は人によって違います。
私の腕立て伏せ専門パーソナルトレーニングでは、フォーム、可動域、体幹ライン、反復テンポ、筋持久力、スピード、疲労時の崩れ方まで確認し、「次に何を伸ばすべきか」からトレーニングを組み立てます。
回数や記録を評価する場合には、必要に応じてデジタル腕立て伏せマシンも使います。
胸側の接触。
肩側センサーによる動作検出。
有効反復のカウント。
数字を出すだけではなく、同じ条件で比較できる状態を作るためです。
筋肉をつけること。
押す力を強くすること。
腕立て伏せで結果を出すこと。
この3つは重なる部分もありますが、同じではありません。
私はその違いを分けたうえで、現在の身体を「次の強さ」へつなげます。
寺田心さんの肉体改造が教えてくれるのは、ウェイトトレーニングの凄さだけではありません。
その前に積み上げた自重トレーニングがあり、その先にさらに大きな負荷と新しい目標がある。
腕立て伏せはゴールにもなるし、強さを始める入口にもなる。
そこが、このシンプルな種目の面白さです。
―――――――――――――――――――――――――――――――――この記事の執筆・監修
PUSH-UP THE HERO🦾腕立て伏せ専門パーソナルトレーナー/プロ腕立てパフォーマー
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