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アジア大会で登場した近代五種オブスタクル|SASUKEとの競技の違いを専門分析

18 時間前
読了時間: 15分
アジア大会で登場した近代五種オブスタクル|SASUKEとの競技の違いを専門分析

2026年、近代五種が大きく姿を変えた。

愛知・名古屋アジア競技大会の近代五種では、従来の馬術に代わる新しい種目としてオブスタクルが組み込まれた競技フォーマットでアジア各国の選手が戦った。


日本近代五種協会によれば、競技は9月16日から20日まで愛知県安城市で実施され、日本から男女各4選手が出場。女子は団体銅メダルを獲得し、個人では内田美咲選手が6位、才藤歩夢選手が9位、矢野佑歩選手が10位、鈴木結理選手が13位。男子は冨田洋輔選手が8位、佐藤大宗選手が11位に入った。


ただし、ここで一つ整理しておきたい。

オブスタクルは「2026年のアジア大会で突然始まった新種目」ではない。

国際近代五種連合は2022年に馬術に代わる種目としてオブスタクル導入を正式に進め、2025年シーズンから近代五種へ本格統合した。2026年のアジア大会は、その新しい近代五種がアジア最高峰の総合大会で戦われた重要な舞台だった。


そして2028年ロサンゼルス五輪では、このオブスタクルが五輪種目としてデビューする。

一見すると「SASUKEがオリンピック競技になった」と言いたくなる。


実際、競技のルーツにはSASUKE/Ninja Warriorの影響がある。

しかし競技として詳しく見ると、近代五種オブスタクルはSASUKEそのものではない。

むしろ、

SASUKE。

OCR。

短距離障害物レース。

近代五種。

この4つの世界が交差する、新しい身体能力競技だ。


腕立て伏せ専門家として今回注目したいのも、「押す力が必要か」だけではない。

もっと大きな問いだ。

障害物競技が近代五種へ入ったことで、選手に要求される身体能力そのものはどう変わったのか。


🧭 近代五種は「5種目」だが、実際の競技構造はさらに複雑になった

現在の近代五種は、

フェンシング。

オブスタクル。

水泳。

レーザーラン。

という流れで進む。


レーザーランがランニングとレーザー射撃を組み合わせるため、「五種」という名称は残りながら、競技の見え方はかなり独特だ。

2026年ワールドカップでは、オブスタクルは2選手が並んで競う70m、8障害のヘッド・トゥ・ヘッド形式で実施された。


つまり近代五種選手は、

剣で戦う。

障害物を高速突破する。

泳ぐ。

走る。

射つ。

という全く性質の違う課題を、一人で処理しなければならない。


ここがSASUKEやOCR100mとの最大の違いになる。

オブスタクルだけ速ければ勝てる競技ではない。

オブスタクルで獲得した得点を、その後の水泳やレーザーランまで含めた総合得点へつなげる必要がある。


SASUKE・OCR100m・近代五種オブスタクルの競技目的とルールの違いを比較

⚡ 「SASUKEの五輪版」と呼ぶだけでは足りない

2026年5月、TBSと国際近代五種連合はSASUKE/Ninja Warriorとオブスタクル競技に関する協力を発表した。

契約にはTBSが設計した一部障害物のライセンスや、LA28へ向けたSASUKE/Ninja Warriorと近代五種オブスタクルのクロスプロモーションも含まれている。

だから「SASUKE型」という表現には確かな背景がある。

しかし競技設計を見ると違いは大きい。

比較

SASUKE

近代五種オブスタクル

OCR100m

主目的

コース完全攻略

近代五種総合得点の一部

障害物100mのタイム

競技距離

ステージごとに異なる

約70mのスプリント型

100m

対戦形式

原則個人攻略

2人同時の直接対決

予選・決勝のタイム競争

障害物数

ステージで変化

8障害

国内日本選手権は12障害

最大の特徴

技術・攻略・完遂

スピード+得点+総合競技

障害物スプリント能力

他種目との連続

なし

フェンシング・水泳・レーザーラン

原則単独種目

JOSAの第3回OCR100m日本選手権では、12の障害物を突破してフィニッシュまでのタイムを競う方式が採用され、2026年9月26日の大会には国内外から約90人が参加した。

同じ「障害物競技」でも、目的が違う。

ここを混同するとトレーニングもズレる。


🧨 近代五種オブスタクルで重要なのは「最大能力」より総合競技への変換力

例えば100m走なら、100mを最速で走る能力を最大化すればいい。

しかし近代五種では事情が違う。

オブスタクルだけに100%のトレーニング資源を投入するわけにはいかない。

フェンシングも必要。

水泳も必要。

レーザーランも必要。

その中でオブスタクル能力を高める。


つまり近代五種選手にとって重要なのは、

「世界最高の障害物選手になること」

ではなく、

「近代五種で勝てるレベルまで障害物能力を高めること」

になる。


これはトレーニング設計では大きな違いだ。

専門競技者なら、障害物の一つを0.2秒速く通過するために大量の練習時間を使える。

近代五種選手には、その0.2秒と他4種目の改善価値を比較する判断が必要になる。

ここに近代五種オブスタクル独特の難しさがある。


🚀 70mの短距離障害物では「動作間の空白」がタイムを決める

70m前後の短いコースでは、持久力だけで勝負は決まらない。

私が特に注目するのは、障害物そのものではなく「障害物と障害物の間」だ。

走る。

減速する。

手を出す。

つかむ。

身体を持ち上げる。

着地する。

再加速する。

次の障害物へ入る。

一つ一つの障害を単独で見ると簡単に見えても、この接続部分で時間を失う。


トップ選手ほど、障害をクリアしてから「次に行く」のではない。

障害を越えながら次の加速準備に入っている。

ここには、

加速力。

減速技術。

身体重心の移動。

手足の接地位置。

障害物を見るタイミング。

次動作への先行準備。

が必要になる。

障害物スポーツは筋力競技に見えるが、実際には「動作の連結競技」という側面がかなり強い。


🧗 必要なのは筋力だけではない|5つの能力で見る

近代五種オブスタクルの身体能力を、私は次の5つで見る。

能力

オブスタクルでの役割

相対筋力

自分の体重を素早く操作する

加速力

障害間で速度を戻す

技術精度

一発で障害を処理する

身体操作

空中・着地・方向転換を制御する

判断速度

次の手足の位置を瞬時に決める

特に重要なのが相対筋力だ。

体重80kgで強い選手と、体重60kgで同じ絶対筋力を持つ選手では、自分の身体を移動させる競技で条件が違う。

懸垂。

ロープ。

ホールド。

壁。

ジャンプ。

これらは全て自分の体重を扱う。

だから「どれだけ重い重量を持ち上げるか」だけではなく、

自分の体重に対してどれだけ素早く力を出せるか。

この視点が必要になる。


🧠 一発失敗の損失が大きいから、100%の速さが正解とは限らない

スプリント競技なら速ければ速いほどいい。

ただし障害物では、速度を上げるほどミスの確率も上がる。

ホールドをつかみ損ねる。

足を置く位置がズレる。

リングを外す。

着地でバランスを崩す。

ここで1秒を失えば、0.1秒ずつ10か所で稼いだ努力が消える。


だから実戦では、

最大速度。

成功率。

リスク。

この3つを同時に考える必要がある。


例えば練習で10回中5回しか成功しない高速ルートと、10回中10回成功する少し遅いルートがあるなら、本番では後者が強い場合もある。

この「成功確率を含めた速度」は、通常の筋力トレーニングでは身につかない。

競技そのものを反復する理由がここにある。


🏃 OCR100m日本選手権を専門分析|100m障害スプリントはどこでタイムが決まるのか

日本のオブスタクルスポーツを考えるうえで、近代五種と並んで外せないのがOCR100mだ。

2026年9月26日には徳島県吉野川市のJOSA公認コースで第3回OCR100m日本選手権が開催された。100mのコースに複数の障害物を配置し、スタートからフィニッシュまでのタイムを競う。近代五種オブスタクルと似た動作は多いが、OCR100mは100mの障害物スプリントそのものを最速で終えることに競技目的が集中する。


では、タイムはどこで決まるのか。

障害物を越える筋力に加え、各局面をどれだけ途切れなくつなげられるかが大きい。

局面

タイムを左右するポイント

スタート〜加速

最初の障害までに速度を作れるか

障害への進入

減速しすぎず、最適な手足の位置へ入れるか

障害物処理

登る・つかむ・支える動作を一発で終えられるか

着地

次の一歩へつながる姿勢で降りられるか

再加速

障害直後に速度を戻せるか

障害間の接続

次動作を先読みし、空白時間を減らせるか

OCR100mでは「押す・支える・登る力」に加え、出した力を即座に次の動作へ変換する能力がタイムを左右する。

壁を速く越えても、着地後に一歩止まればロスになる。リングを確実につかんでも、次の障害への準備が遅れれば再加速できない。短い100mでは、こうした細かな遅れが積み重なる。


一方で、速さだけを追えばホールドの取り直しや着地ミスが増える。OCR100mで求められるのは、成功率を維持したまま出せる最高速度だ。


腕立て伏せ専門家の視点では、上半身の支持力、短時間の筋出力、体幹を保ったまま力を伝える能力が基礎になる。そこから障害物上の素早い身体移動へ変換していく。

評価では、どの障害が苦手かだけでなく、

どこで減速したか。手足の置き直しがどこで起きたか。着地から何歩で再加速できたか。次動作への準備がどこで遅れたか。

まで見ることで、100m全体の改善点が明確になる。


最終的なトレーニングでは、

加速 → 障害物処理 → 着地 → 再加速

を一つの連続動作として磨く。


近代五種オブスタクルが総合競技の一部として戦う種目なのに対し、OCR100mは障害物スプリントそのものを極限まで速くする競技だ。

同じオブスタクルでも、この競技目的の違いがトレーニングの優先順位を変える。


🌍 LA28では「障害物ができる近代五種選手」が世界一を争う

LA28公式サイトでは、近代五種のオブスタクルを「Ninja-style sprint course」で行うヘッド・トゥ・ヘッドレースとして紹介している。

馬術に代わってオブスタクルが五輪デビューする。


会場はロサンゼルスのSepulveda Basin Recreation Areaに設けられるValley Complex 2だ。

ここで重要なのは、五輪チャンピオンになるのが「世界最強のNinja選手」とは限らないことだ。

フェンシング。

障害物。

水泳。

レーザーラン。

全てを合計して強い選手が勝つ。


世界最高峰の障害物選手よりオブスタクル単体では遅くても、他種目で圧倒すれば近代五種では勝てる。

逆に、オブスタクルで大きく遅れれば、得意なレーザーランでも取り返せなくなる可能性がある。

このバランスこそ近代五種の面白さだ。


🧩 腕立て伏せは「攻略種目」ではなく身体能力テストとして使う

ここで腕立て伏せ専門家としての視点を加えたい。

オブスタクルを速くするために、腕立て伏せを大量にやればいいわけではない。

これは明確に分ける。


今回の記事は「腕立て伏せの押す力がどこまで通用するか」を主題にはしない。

オブスタクルの中心は、障害物そのものを高速かつ正確に処理する技術だからだ。

ただし、腕立て伏せは別の使い方ができる。

それが体力測定だ。


例えば、

一定時間に何回正確に反復できるか。

上半身筋持久力がどれだけあるか。

疲労しても体幹ラインを保てるか。

短時間でどれだけ速く反復できるか。

こうした項目は、障害物競技者の補助的な身体能力評価として利用できる。


「腕立て伏せの記録が高い=OCRが速い」

とは言えない。

しかし、

オブスタクル競技者の身体能力プロフィールの一項目として測る。

これは十分成立する。


オブスタクル競技者の体力測定として行う30秒腕立て伏せチャレンジと記録表示イベント

📊 競技会に「30秒腕立てチャレンジ」を置くと面白い

オブスタクルスポーツのイベントには、競技以外にも大きな可能性がある。

参加者。

家族。

観客。

初心者。

こうした人たちが競技終了後にも参加できるアクティビティだ。


そこで私なら、腕立て伏せマシンを使った30秒チャレンジを提案する。

理由はシンプル。

短い。

ルールが分かりやすい。

数字が出る。

再挑戦したくなる。

観客も結果を理解できる。


しかも30秒という時間は、OCR100mのトップレベルの競技時間とも近い。

2026年4月のOCR100m公式大会では、男子シニア優勝タイムは27秒02だった。


もちろん、OCR100mと30秒腕立て伏せは生理学的に同じ競技ではない。

共通点は、「短時間で結果が出て、観客にも勝敗が分かりやすい」というイベント特性だ。


🛰️ 腕立て伏せマシンなら「体力測定」を観戦コンテンツへ変えられる

PUSH-UP THE HEROのデジタル腕立て伏せマシンは、胸側のスイッチと肩側のセンサーを組み合わせて有効な反復を確認し、大型デジタル表示で回数や時間を見せることができる。

イベント利用では、計測だけではなく競技説明、デモンストレーション、ランキング、実況などを組み合わせられる。


オブスタクル大会へ導入するなら、私は本競技の結果とは完全に切り離す。

例えば、

30秒チャレンジ。

年代別チャレンジ。

選手VS観客。

親子チャレンジ。

オブスタクル選手ランキング。

イベント終了後のエキシビション。

こうした使い方だ。


重要なのは、

「腕立て伏せが速い人がオブスタクルも強い」

と決めつけないこと。

別の能力を測るから面白い。

100m走の選手が握力測定をするように、競技者の別の身体能力を可視化する。

その距離感が最も自然だ。


🗾 徳島・吉野川だからこそ成立するコラボレーション

2026年9月のOCR100m日本選手権が開催されたのは、徳島県吉野川市のJOSA公認オブスタクルスポーツ吉野川コースだ。

私自身も徳島県出身。


以前から、オブスタクルスポーツと腕立て伏せを組み合わせた地域イベントの可能性を考えてきた。


競技会場に、

オブスタクル体験。

腕立て伏せ体力測定。

アーティスティック腕立て伏せのデモンストレーション。

記録チャレンジ。

ランキング。

を組み合わせれば、

「観戦する大会」から「自分も身体能力へ挑戦できる大会」へ拡張できる。

オブスタクルスポーツには、そもそも「自分もやってみたい」と思わせる力がある。

そこへ分かりやすい体力チャレンジを加える相性は良い。


🎭 オブスタクルはスポーツであると同時に、強いエンターテインメントになる

近代五種がオブスタクルを導入した変化は、競技力だけの話ではない。

見て分かりやすくなった。

これが大きい。

選手が障害物を越える。

速いか遅いかが分かる。

相手と並んで走る。

失敗すれば一瞬で差がつく。

テレビや会場で見ても理解しやすい。


UIPMも2025年以降、オブスタクルや直接対決型フェンシングを取り入れ、近代五種をよりコンパクトで観客に伝わりやすい競技へ変化させている。


TBSが制作した近代五種の融合『HANZO』 SASUKEトライアウト2025の対策トレーニングは今からでも、近代五種と障害物スポーツをテレビ向けスポーツエンターテインメントへ変換する試みが行われていた。


スポーツの価値は、選手だけで決まらない。

観客が理解できる。

挑戦したくなる。

記録を比べられる。

再挑戦したくなる。

この構造を持つ競技は強い。


🧪 近代五種選手のオブスタクル対策は「筋トレ」より競技特異性が重要になる

近代五種選手がオブスタクル能力を高めるなら、私はトレーニングを4段階に分けて考える。

1|基礎身体能力

懸垂。

ハング。

ロープ。

体幹。

ジャンプ。

プッシュ系。

全身筋力。

ここでは障害物を扱うための土台を作る。


2|障害物単体技術

リング。

バー。

ウォール。

ホールド。

バランス系。

各障害を単独で反復し、失敗率を下げる。


3|接続スピード

障害を越えた直後の着地。

再加速。

次の障害への入り。

ここが70mでは大きい。


4|近代五種への統合

最後は、オブスタクルだけで完結させない。

フェンシング。

水泳。

レーザーラン。

他種目を含めたトレーニング負荷の中で、オブスタクル能力を維持する。

近代五種選手に必要なのは「障害物専門家になること」ではなく、

五種目の中で障害物を武器にすることだ。


🏁 結論|これは「SASUKEが五輪になった」だけの話ではない

近代五種オブスタクルを見て、

「SASUKEみたいだ」

と感じるのは自然だ。


実際、SASUKE/Ninja Warriorと競技開発の距離は非常に近く、TBSとUIPMも公式に連携している。

しかし競技として見るなら、そこで止まるともったいない。

SASUKEは完全攻略を目指す障害物競技。

OCR100mは100mの障害物スプリント。

近代五種オブスタクルは、総合競技の得点を左右する高速障害物種目。

似ているようで、目的が違う。


そして目的が違えば、必要な能力もトレーニングも変わる。

2026年愛知・名古屋アジア大会で、アジアの近代五種選手たちはすでにこの新しい時代へ入った。

次はLA28。

そこでは世界中の選手が、

フェンシング。

オブスタクル。

水泳。

レーザーラン。

という新しい近代五種で五輪王者を争う。


近代五種は、伝統競技のまま残ったのではない。

競技そのものを作り直した。

その象徴がオブスタクルだ。


🦾 障害物競技者の「別の強さ」を腕立て伏せで測る

私の腕立て伏せ専門パーソナルトレーニングでは、腕立て伏せを万能種目として扱わない。

競技が違えば、腕立て伏せの役割も変える。


オブスタクル競技者なら、腕立て伏せの回数を増やしただけで障害物タイムが縮まるとは考えない。

その代わり、

短時間反復能力。

上半身筋持久力。

体幹を維持した反復。

疲労下でのフォーム。

こうした能力を測る補助テストとして使う。

必要ならデジタル腕立て伏せマシンで条件を固定し、30秒・60秒などの短時間テストを行う。


競技で必要な能力と、体力測定で見たい能力を分ける。

そのうえで結果をトレーニングへ戻す。

私はこの考え方を大切にしている。

障害物が得意だから、上半身筋持久力も高いとは限らない。

腕立て伏せが得意だから、障害物も速いとは限らない。

だから測る価値がある。


一つの数字で選手を決めつけるのではなく、

複数の能力を並べて、その選手の身体能力プロフィールを作る。

近代五種もオブスタクルスポーツも、これからさらに競技化・計測化が進む。

その中で腕立て伏せは、競技そのものになる場合もあれば、別競技者を評価する一つのテストにもなる。


私はその境界を見極めながら、腕立て伏せという一つの動作を、トレーニング・測定・競技・イベントへつなげていく。

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