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速度で決めるベロシティ・ベースド・トレーニングVBT理論を腕立て伏せに応用

前回の記事「近年のトレーニング理論ー伝統×革新の融合」で紹介した数多の筋肉・筋トレの原理と原則の中から腕立て伏せ競技に活かせる5つの最新理論をピックアップし「3分間腕立て伏せ」への応用とプッシュアップの競技能力が向上するメソッドを提案します。

目次

❶フィッツ&ポスナー=運動スキルを学習する過程 1.認知段階 2.連合段階 3.自動化段階

❷ベロシティ・ベースド・トレーニング(VBT)=筋トレに最適な負荷をスピードで決める

❸コンジュゲート(Conjugate)メソッド=複数の能力を同時に鍛える方法

❹FITT原則=頻度、強度、時間および回数、トレーニングの種類

❺セントラルガバナー理論=脳が運動能力を調整し安全な運動量を確保している仮説

1. フィッツ&ポスナー(Fitts & Posner)の運動スキル学習モデル

認知段階:動作の理解とフォーム習得期

応用:まずは正しいプッシュアップフォーム(肘角度、体幹の保持、手幅など)を動画や鏡で確認し、自分の動きを修正。


連合段階:フィードバックを受けながら動作を完璧に近づける期

応用:トレーナーやパートナーからの外的フィードバック、もしくは自分でスマホ撮影して、フォームのムダを排除し正しいフォームを目指す。


自動化段階:意識せずとも正しいフォームで安定して動ける期

応用:"脳"で動作できるようになれば高レップや後半戦の疲労状態でも正しいフォームが維持できるようになる。


運動科学的根拠:**運動学習理論**によるフォームの自動化が筋疲労時の腕立て伏せ動作を効率化し、エネルギーロスを最小化できる。

2. 速度で決めるベロシティ・ベースド・トレーニングVBT理論を腕立て伏せに応用

概要:今までのトレーニングは重量、レップ数、セット数、レスト時間の4つでしか基準となるデータはなかったが、動作時のバーの速度や身体速度をリアルタイムでモニター計測し、その「速度」を基準にトレーニング負荷を最適化するメソッド。重量に対する挙上速度を測れば、それが1RMの何%に該当するか換算表で分かる。ベンチプレスやスクワット、デッドリフトでの利用が多い。

速度で決めるベロシティ・ベースド・トレーニングVBT理論を腕立て伏せに応用
Velocity Based Training

Velocity Based Trainingの応用(オリジナル):プッシュアップにも応用し、1レップあたりの上下動速度を測定。通常GymAware(ジムアウェア)など専用の計測機器を使用しスマホアプリやタブレットと連携しモニター計測するが、一般的にはこれだけの機材を揃えるのは難しいので、腕立て伏せの場合は「30秒間腕立て伏せのMAX回数計測」の代用で「腕立て伏せの速度で負荷を最適化」できると考える。


通常、計測機器をバーやウエイトに取り付けることで、1レップごとの速度データを計測できるが、バーやウエイトが無い自重トレーニングの腕立て伏せでも応用する方法とは?


有効体重(m)

腕立て伏せ時に持ち上げる「体幹の有効質量」は体重の約 64 % 程度とする。

𝑚 e f f ≈ 0.64 × 𝐵 𝑊 m eff ​ ≈0.64×BW


テスト方法の概要(PUSH-UP THE HEROオリジナル)

❶腕立て伏せのフォームと可動域はハーフレンジ・プッシュアップ(肘が直角になるまで体を下げる)で行う

❷必ず30秒間初速から”全力”で連続腕立て伏せを行う

❸腕立て伏せの速度が一定以下になったら終了

❹トレーニングの目的は「スピード筋力の向上」で%1RMは「30」程度想定

❺3分間腕立て伏せの最多回数を上げることが最終目標


1秒あたりの回数を10秒単位で計測し速度が「5%」以下に落ちるまでの区間を対象とする

例:筆者の場合=0:20~0:30区間で1.9475と5%以上落ちているので0:00~0:20までの40.625回

0:00~0:10 2.0500回(1秒あたりの回数)

0:10~0:20 2.0125回(1秒あたりの回数)

0:20~0:30 1.9375回(1秒あたりの回数)

ベロシティ・ベースド・トレーニングのプッシュアップ測定方法

この「20秒間」「40.625回」のデータを元に独自の計算式で算出し「腕立て伏せの速度と回数」を効率的に上げる最適化したメニューを提案していきます。


ベロシティ・ベースド・トレーニング.VBT.の2大メリット

★個々の体力レベルやその日の体調に合わせ最適な負荷とボリュームを自動的に設定できる

★過剰な負荷を未然に防ぎつつ、無駄なく質の高いトレーニングを継続できる


腕立て伏せ専門パーソナルトレーニングにも採用可能なメソッドです。興味のあるは人はぜひ受講のご検討をしてみては?


運動科学的根拠:VBTは速度低下から神経筋疲労をリアルタイム検知し、オーバートレーニングを防止できる。

3. コンジュゲート(Conjugate)メソッド

概要:3分間腕立て伏せの競技に必要な最大筋力、爆発力、筋持久力など複数の能力を平行して鍛える手法。


応用プラン例:

月曜日(Max Strength):重り付き加重プッシュアップ 3–5RM

水曜日(Explosive Power):クラッププッシュアップ/メディシンボール・プッシュアップ 6–10レップ×10セット<セット当たりの回数を少なくしセット数を増やすのがコツ>


金曜日(Endurance):自体重のみで限界レップ×3セット

日曜(テクニック&スキル):フォーム練習+VBTを使った速度維持ドリル


運動科学的根拠:コンジュゲイト法は各能力を同時刺激することで、相互作用(神経適応+筋肥大+代謝能向上)が得られ、総合的なパフォーマンスアップを促進できる。

4. FITT原則

Frequency(頻度):週3〜4回

Intensity(強度):

Max strength日は重量の80–90%相当

Power日は自体重 or 軽量で動作を爆発的に

Endurance日は45–60秒耐久 or 15–20レップ


Time(時間・回数):

合計トレーニング時間は各セッション30–45分以内

3分間競技では、60秒ごとにVBTで速度チェック


Type(種目):重り付き・自体重・爆発系・フォームドリルの4種目をミックス


運動科学的根拠:FITT原則によるバランス設計で、頻度・強度・量を最適化し、超回復サイクルを最大化できる。

5. セントラルガバナー理論(Central Governor Theory)

概要:限界は脳がつくり出している。脳が過負荷を防ぐために運動強度を抑制する中枢制御モデル。一般的には3分間の運動で起こるのは筋疲労がメイン。10分以上の運動で中枢性(ストレスや精神力)疲労の重要度が増すとされる。


応用:ペーシング戦略を取り入れ、序盤はやや抑えめ、中盤から終盤でセントラルガバナーの抑制を緩めラストスパートを2段階用意して早期に速度を上げることで余力を残さないように乳酸をエネルギーとして効率的に再利用しながら脳のリミッターを解放しよう。


3分間腕立て伏せの場合

「序盤0:00~1:00」「中盤から終盤1:30~3:00」「ラストスパートを1段階目1:30~2:00」「ラストスパートを2段階目2:30~3:00」


脳が蓄積疲労と速度低下を感じてしまった時点で急激に乳酸を感じるようになり急ブレーキがかかる。リミッターを外し「まだ余裕がある」と脳を騙すことがコツ


運動科学的根拠:セントラル・ガバナー理論を活用したペーシングとリミッター解除の併用で、脳の抑制を緩めつつ持久限界を引き上げる。

5理論を統合した「3分間腕立て伏せ競技」メソッドの一例を紹介


月曜

水曜

金曜

日曜(プレコンペ直前)

目的

Max Strength

Explosive Power

Muscular Endurance

Skill & Taper

種目例

重り付きプッシュアップ 3–5RM

クラップ or メディシンボールプッシュ 6×10

自体重限界レップ×3

フォームドリル + VBT速度維持ドリル

FITT

F:1回


I:80–90%


T:3–5RM


 T:重り付き

F:1回


I:30–40%


T:6×10速発動


 T:爆発系

F:1回


I:自重


T:15–20RM×3


 T:持久系

F:1回


I:50%速度維持


T:2×60秒


 T:テクニック

週4回、6週間プログラムとし、毎週負荷・種目・速度を「漸進性」の原則で微調整

最終週は「テーパリング」期間として、水曜以降から強度を落とし、神経系と筋疲労を回復


これら5つの理論を相互に組み合わせることで、技術・筋力・爆発力・持久力・脳の制御を一体的に高め、3分間という長時間・高反復競技でのパフォーマンスを最大化できます。

パーソナルトレーニングに取り入れる場合クライアント様の個性やフィジカルレベル・ご希望に合わせてメニューをカスタマイズしオーダーメイドで作成していきます。


システマティックなプログラム設計と科学的フィードバックのもと、確実に3分間腕立て伏せの回数記録を伸ばしましょう!


スポ男に採用される日も近い? 3ミニッツプッシュアップ 3MINUTES PUSH UP攻略記事はこちら


最強スポーツ男子頂上決戦の種目候補 3ミニッツプッシュアップ / 3分間腕立て伏せ最高記録

バニスター効果「完璧なハーフレンジフォーム維持のストリクトな条件下で3分間150回の回数を超えるのはミッション・インポッシブル」な領域と言われていた。しかしPUSH-UP THE HEROが150回の記録を更新すると、その後151➡152➡153と次々に高い壁を打ち破り今や調子が悪くても150回を下回ることは皆無に。科学的に「人間の限界」が変わったのではなく「できる」と思い込むことで記録が次々と塗り替えられたのだ。

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